雨柳堂

波津彬子『雨柳堂夢咄 其ノ十三』(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス,朝日新聞社朝日新聞出版,2011年 1月)読了.

雨柳堂シリーズのうち,篁と釉月にまつわるエピソードは「最後の破片」(第10巻に収録)でいちおうのまとまりがついたんでしょうか.その後は読みきりの短編ばかりが書きつがれているようで,本書にも読みきり作品7話がおさめられています.コメディータッチのものもあれば,やや重い内容の話もあります.それにしても,ヒトとモノの<霊>をつぎつぎに創作する波津氏の想像力(創造力)のすばらしさには圧倒されます.
既存のキャラクターを再利用している(らしい)のも,いいですね,「夜伽の客」の登場人物(?)のひとりで,「古物を扱うておりますがね」(p. 184)というじいさんは,「お嬢様のお好み」や「匏翁」に出てきたじいさんとおなじひとなんでしょうか(笑).