松苗あけみ氏の新刊

『妄想婦人倶楽部』(実業之日本社,2011年 3月)を読みました.
60歳代の女性を主役とする表題作をはじめ,他の作にも中年〜老年の男女がおおぜい出てきます.といっても,「カトレアな女達」(やその続編の「女たちの都」)のばあさんたちほどひどい容貌ではありません(90歳の老いさらばえた顔の老人も登場しますが・・・).若々しい女子高生たちの学園ものでブレイクした松苗氏が,いつから老人世代に目を向けるようになったのか,リアルタイムで読んでいたわけではないわたくしにはわからないのですが,その原型は「純情クレイジーフルーツ」の女教頭先生らしいんですね.もっとも,教頭先生のような老女を主人公にするという発想がいつ生まれたのか,これもわたくしにはわかりません.それにしても,松苗氏の絵がむかしと変わっていないのには,おどろかされます.