神話と絵画と現実と

地震という,のっぴきならない事態をつきつけられているときには,なにをするのもむなしくおもえてしまうのですが,そうはいっても,わたくしたちにできるのは日々のくらしをふつうにいとなむことしかないのではないかとかんがえ,中野京子氏の新刊『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋,二〇一一年三月)を読んでみました.
いつもならば,おもしろいですね〜とか,どの部分の記述が気に入りました,とか書くところですが,さきに記したように,現時点でのわたくしの意識が鬱にかたむいていますので,そういう状態からの評価として,ゴヤの「運命の女神たち」をあつかった「紡いで、 測って、 ちょんぎる」という項がもっとも印象に残った,ということを告白しておきます.(他日,再読したなら,べつの感想が生じるかもしれません).