「人のかたち」への興味

府中市美術館で《江戸の人物画 姿の美、 力、 奇》を見ました.人物を描くということには,いったいどんな意味や志向があるのか.いっぽうで,江戸時代のひとびとはどのような感性をもって,描かれた人物を見ていたのだろうか.こういった問題意識がこの企画展をつらぬいているようです.<美の百様/「迫真」のゆくえ/聖の絵姿/ポーズ考/海の向こうの不思議とロマン/人という営み/かわいい>というテーマ(というか,切り口というべきでしょうか)に分けて,展示しています.人の姿かたちにたいして,こういう観点もあるのか,と,どれも興味深く見ました.とくに印象にのこったものを挙げておきます.

○ 祇園井特「観桜美人図」(cat. no. 10) エグいですね(笑).

○ 長沢蘆雪「唐美人図」(cat. no. 18) 蘆雪にしては素直な,うつくしい作品です.

○ 葛陂古馮「関羽像」(cat. no. 27) バックの黒ベタが強烈です.

○ 森周峰「蝦蟇仙人図」(cat. no. 58) マンガチックという評を呈したいですね(笑).

○ 清原雪信「西王母・牡丹図」(cat. no. 62) 可憐でやさしくてこころひかれます.