書き下ろしが多いのがうれしい

坂田靖子『オレンジとレモン 坂田靖子よりぬき作品集』(ジャイブ,2011年 6月)を読みました.ほとんどが『JUNE』に載せたもので,ホモセクシュアルの匂いが濃厚にただよっている作品が多いです.今回の本のための書き下ろしのほか,「メイキング」もいくつかあって,創作のウラバナシなどを書かれています.「考えたけど使えなかった話」があるとか,「ネームができるのと同時に[・・・]話の続きまでできちゃった」ことがあるとか.「鴨池」の冒頭におかれているのも,今回の書き下ろしメイキングのようですね.こうしたちょっとしたページじたいが作品そのものと同等ななおもしろさをもっているところに,坂田氏の特色があるかと,おもいます.