異文化間コミュニケーションのおもしろさ

蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語』とその続編を読みました(ともにメディアファクトリー.初編は2009年 2月,2巻は2010年 2月刊).どちらも半年たらずのあいだに数版を増刷し,シリーズ累計で140万部を突破しているそうです.すごいですね.タイトルからすると,日本語についての啓蒙的な本のように見えますが,じっさいは,外国人に日本語を教える日本語学校で教師をつとめている海野氏の,学生たちを相手にしてのてんやわんやをコミカルに(と,いっていいかとおもいます)描き出したエッセイマンガです.日本語にかんすること,たとえば助数詞とか,敬語とか,ひらがな・カタカナの由来とか,現代のわたくしたちにとっても有益な情報もいろいろと書かれていますけど,やはり,外国人学生の感性や知識やおもいこみやらと著者の意識との差異がおもしろく,笑いをさそいます.在籍している学生さんたちの国籍や日本語習得の目的や程度もいろいろで,任侠映画ファンのフランス人女性が「おひかえなすって」と自己紹介したり,江戸時代のサムライのようなことば遣いをするひとがいたりと,どこまでホントのことかわかりませんけど,おもしろいエピソード満載です.このあと,第三弾も出版予定ありとか.たのしみです.