国芳はすごい

平木浮世絵美術館で ≪にゃんとも猫だらけ≫ を見ました.浮世絵に描かれた猫たちをあつめています.今月29日までの第一部は「猫と遊ぶ 美人画の猫」と題され,女三宮を画題とするものや風俗画や見立絵など,いろいろな場面に,女性たちとともに猫が登場しています.さすがに国芳の作品がおおいのですが,国貞や楊洲周延もかなりの猫を描いているようです.じっさいの猫のほか,簪の一部や着物の模様として描かれたものもあって,猫をとりあげる手法の妙も味わうことができます.2月2日からの第二部は「化け猫騒動」,3月3日からの第三部は「猫で遊ぶ 戯画とおもちゃ絵」だそうで,いまからたのしみです.
豊洲から六本木にまわり,森アーツセンターギャラリーで ≪没後150年 歌川国芳展≫ を見てきました.このブログには記さなかったのですが,今月上旬に前期展示を見ています.あわせて420点ばかり,これほど多くの作をまとめて見たのははじめてです.じつに圧倒されました.すごい,というほかありません.ジャンルの多様さ,画面全体にみなぎる力,奔放な構図と色彩,西洋画の技法をとりいれた表現,洒脱なあそびごころなどなど,すでにかずおおく語られ論じられているので,いまさらわたくしがウンヌンするまでもないでしょう.国芳にはこれからも注目したいものです.なお,今回の展示には春画がふくまれていなかったのが,ちょっと残念です.