換骨奪胎のみごとさ

秋乃茉莉『傀儡華遊戯 チャイニーズ・コッペリア 1』(ぶんか社,2012年 4月)を読みました.タイトルにあるように,機械人形とそれをあやつる魔術師(?)が登場するのですけど,人形はことによるとほんものの人間である(あった)のかもしれず,またなぜそんなことができるのかもわかりません.人形つかいの正体や目的も不明なままです.いずれあきらかになるのでしょうが,かれらはむしろ狂言回しで,各話に出てくるひとたちの物語のほうがメインなのかもしれません.それにしてもおどろかされるのが秋乃氏の作劇のみごとさで,バレエのコッペリアを唐代にはめこんだり,班婕の「怨歌行」を引用したりと,自在をきわめています.
は女偏に「予」.(ハンショウヨの「ヨ」の字はIMEパッドで見つけることはできたのですけど,インターネット上では別の字になってしまうようなので,※にしておきました).