設定の妙

桑田乃梨子『放課後よりみち委員会 1』(幻冬舎コミックス幻冬舎,2012年 3月)と竹本 泉『あかねこの悪魔 4』(エンターブレイン角川グループパブリッシング,2012年 4月)を読みました.どちらも学園ものですが,ちょっとおかしな空間にまぎれこんでしまうという点が共通しています.『放課後〜』ではあちらの世界にいくと人物が変身してしまいますし,『あかねこ〜』は図書館の本(物語)のなかに入りこんで紙魚を退治する,というヘンな話です.『放課後〜』の変身は,ネタバレになってしまうのでくわしくは書きませんけど,登場人物のなまえに変身後が暗示されているのがおもしろいですね.「縞谷大河」と「七黒(ななこく)まな」に<虎>と<熊>がふくまれています.『あかねこ〜』でも「紙魚とりの適正のある人間は/最低限名前に「ねこ」が入っている」とのことで,このあたり,作者のあそびごころを見ることができそうです.