「だらだら」ではない『だらだら日和』

TONO『だらだら日和』(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス,朝日新聞社朝日新聞出版,2012年 6月)を読みました.作中に「とりとめもなくだらだらと/日常や思い出をつづります」(p. 51)とあるのですが,このことわりがきやタイトルに反して,だらだらではない,非常なできごとがあれこれと語られています.冒頭の「関空冷や汗40分」という作品では離陸直後の飛行機の「4つあるエンジンの内3つまで止まってしまった/出火したので燃料を全部海に捨てて緊急着陸した」という体験を,「だらだら日和 1」では2001年3月の中国・四国地方地震のことを描いています.ほかにも,けっこう深刻なはなしがあるのですが,しかし描き方はユーモラスで,どの作も<オチ>がよく効いています.下ネタが多いですね.女性性器の俗称をしつこいくらいに書きこんでいるのに,感心しました(笑).