夏むきの(?)本

このところの暑さのせいでなにもする気がおきず,ブログの更新もとどこおってしまいました.本を手にとっても,読み通すだけの気力がつづかずに,とちゅうでなげうったり,あるいは何日もかけてやっと読み終えるといったていたらくです.これではいかんとおもっていたところ,森本梢子氏の新刊2冊に出会い,これは一気に読んでしまいました.すなわち『デカワンコ 11』と『アシガール 1』です(ともに集英社,2012年 7月).「デカワンコ」は例によってとんでもない設定で,主人公の花森一子が警察犬のようにあつかわれていますが,ミステリーとしてけっこう読ませるところもあり,シリアスな面とコメディータッチとが共存しているのがこの作のおもしろさなのかもしれません.「アシガール」は「平成生まれのまるでやる気のない女子高生」がタイムスリップして戦国時代の足軽になる,というこれまたとんでもない物語です.「足軽」だから「アシガール」という,なんとも安直なネーミングがいいですね.タイムマシンや時代の設定があんがい緻密で,読者をひきこむだけの魅力があります.重苦しくはなく,しかも読者の興味をひく,夏バテをはねかえしてくれるような作品です.こういうものに多くめぐりあえたら,いいんですが.