幽霊がいっぱい

芸術新潮 8月号』の「特集 美女と幽霊」を読みました.というより,ながめたといったほうがいいでしょうか.いろいろな幽霊がいます.描表装を利用した「絵から飛び出す3D系」とか,生首をくわえる「日本のサロメたち」とか,「骨のあるみなさん」と題する骸骨とか.さまざまな幽霊たちを集めてきた編集部(あるいは「案内役」の安村敏信氏)の努力を多としたいと,おもいます.応挙や暁斎など著名なひと以外に,無名の作者による幽霊画もけっこうあるらしいんですね.それと,おそろしい描き方ばかりでなく,ユーモラスなものがあるのに,感心しました.今回の企画のうち,とくに印象にのこったものとして,(わざと正統的なものを避け),芳年の「幽霊図」(顔が女性器になっているもの.p. 43)と祇園井特の「墓場の幽霊図」(p. 45)とをあげておきます.