悲惨な結末?

TONO『コーラル 手のひらの海 3』(眠れぬ夜の奇妙な話コミックス,朝日新聞社朝日新聞出版,2012年 8月)読了.「オーシャン・ドリーム・ファンタジー」と銘打っており,すっとぼけたコミカルなところがあるいっぽう,残酷な設定や描写もあります.今回初登場の,わるくちをいいふらす「オウム魚」が不気味ですね.これはひとのこころの奥底にひそむ悪意(?)を象徴しているのでしょうか.そんなものに左右される人魚たちのこころも,きわめて不安定でたよりなげで,へたをするとよりわるい局面へとむかってしまいかねません.コーラルの物語をつむぎだしている(現実世界の)珊瑚の立場とその周囲の人間関係も,やはり不安定です.このさきどういう展開になるのでしょうか.悲惨な結末が予想され,ちょっとこわい気もするのですが,次巻が待ち遠しいです.