琴線にふれる作品

遠藤淑子『なごみクラブ 4』(竹書房,2012年10月)読了.波乱万丈のストーリーがあるわけでもなく,意外性とかオチが用意されているのでもなく,ふつうの社会のなかのふつうのできごとを淡々と(ときにはちょっとマンガチックに)描いているだけなんですけど,ひとのこころの奥深さを感じさせるというか,余韻をのこすというか,じーんとくるところの多い作品です.徘徊癖のある老人など,現代の問題も取りいれています.そしていつもながらの遠藤氏独自のセリフ.琴線にふれる絶妙のことばを,遠藤氏はどこからどのようにして創りだしているのでしょうか.まったく讃嘆するほかありません.