日本美術通覧

例によってカキコミが遅れてしまいましたが,昨23日は切手の博物館で ≪切手版日本絵画全集≫ を見てきました(なにせ「ふみの日」は入館無料ですので).解説のチラシによると三部構成になっていて,「第一章」は「著名画家によるオリジナルデザインの切手」,「第二章」は「日本絵画を取り上げた外国切手」としていますけど,メインとなるのは「第三章 切手で見る日本絵画の歴史」でしょう.古代から現代まで,壁画や王朝絵巻や狩野派の作や江戸時代の浮世絵や明治以降の著名画家による作品など,日本美術史の本に揚げられているようなものはことごとく切手になっているんですね.切手によって日本美術を通覧することができます.おなじ作品が何度も,額面をかえて発行されていることがあり,つまり特殊な記念切手としてではない,普通切手の定番として日本美術が用いられていることがわかります.が,記念切手としての発行もあり,何回目だったかの国際糖尿病会議の開催記念として藤原道長を描いた切手が発行されたというのには,笑ってしまいました(*).
*藤原道長が「糖尿病の記念切手」に取りあげられていることについては,蛇蔵&海野凪子『日本人なら知っておきたい日本文学』(幻冬舎,二〇一一年八月)に記載があります(p. 43).