幽霊いろいろ

安村敏信肉筆幽霊画の世界』(新人物往来社,2013年 3月)読了.8章にわけてさまざまな幽霊画を紹介しつつ,幽霊および幽霊画にまつわる話題を「コラム」に記し,巻末には「幽霊画はどこから生まれてきたのか?」と題する解説を置いています.「幽霊画コレクションの見られる主な寺院・博物館」を紹介するページもあります.じつにいたれりつくせりの親切な本で,幽霊画をたのしみながら,幽霊の<通>になれます(笑).「第一章」はオーソドックスに円山応挙をとりあげていますが,「飛び出す幽霊画」とか「ユーモア幽霊画」「骨骨ロック骸骨画」といった章もあり,わらってしまう作品もけっこう載っています.「はじめに」に「本書では名品をフォローするのと同時にできるだけ未紹介の作品を発掘することを心がけた」とあるとおり,これまで見たことのなかったものや,作者不詳の作品がかなりあるのも特色といえるでしょう.全作品にタイトル(というかキャッチコピーというか)を付けているのが,いいですね.とにかく,おもしろいです.