エッセイマンガというかなんというか

そらあすか氏の本を3冊,入手できたものから順に読んでみました.すなわち『マンガ・日本人なら知っておきたい! 戦国武将、ゆるイイ話』(講談社,2011年10月),『戦国武女子、参る! いっそ武将に仕えたい!』(メディアファクトリー,2009年 9月),『龍馬に逢いたいぜよ』(ミリオン出版大洋図書,2010年 4月)です.はじめの2冊は「4コマ漫画 + 1」という構成になっています.4コマのあとに,補足というかツッコミというか,もうひとつ絵を置いているんですね.これがそら氏独自の技法であるのかどうか,現代のマンガ全般についての知識のすくないわたくしにはわかりかねますけど,おもしろい(おもしろく読んだ)のはたしかです.そしてさらに文章による解説や注もあります.そら氏が日本史や戦国武将たちについてたいへんなウンチクをお持ちであることを納得させられます.直江兼続が「敵城の古書の保護、収集に努めた。兼続が保有していた『史記』と『漢書』(いずれも国宝)は世界で唯一の完本。」(『戦国武女子、参る!』,p. 17)だなんて,はじめて知りました.『龍馬に〜』は紀行文ならぬ紀行マンガとでもいえばいいのでしょうか,坂本龍馬ゆかりの地をあちこちと探訪しています.高知にはじまり,神戸,長崎,京都の神社や資料館や史跡をたずねあるく作者の意気込みには,圧倒されます.が,その一方にミーハーなところもあり,お土産などのグッズを買いこんだり,各地の料亭や食堂での食事もしっかりと(写真入りで)紹介しています.拝観料や食事代など,けっこうかかったんではないかと,いらぬ心配をしてしまうくらいです.が,やはり,こうした作者の行動そのものを対象化したマンガはおもしろいですね.そらあすか氏が今後どういった作品を描かれるのか,たのしみです.