生誕450年

練馬区立美術館で ≪見つめて、シェイクスピア!展 美しき装丁本と絵で見る愛の世界≫ を見ました.ことしがシェイクスピアの生誕450年にあたっており,再来年は没後400年になる,とのことですので,シェイクスピア関連の企画が多く出るものとおもわれます.本展もそのひとつで,「シェイクスピアの作品から主題を得た絵画作品や挿絵本の数々」を展示しています.本の挿絵として描かれた作品がまずあらわれ,ついで舞台俳優の肖像画がおこなわれ,やがてシェイクスピア作品に触発された画家たちが独自に絵画として創作するようになったそうですが,じつにさまざまな作品があります.シェイクスピアに傾倒した画家もおおぜいおり,フューズリがけっこう多くの作をのこしているのが,ちょっと意外でした.シャガールも「テンペスト」の筋にそった50点ものリトグラフをつくっており,ダリによる「マクベス」の挿絵という,ヘンな作品もありました.どの画家,どの作に興味をいだくか,どれを好むかは,見るひとによってマチマチでしょうが,きわめて多様な世界が繰りひろげられているのはたしかです.シェイクスピアに,また美術に関心のあるひとへのオススメの企画展といえます.なお,本展には「シェイクスピアをテーマとした」「第2回デザイナー・ブックバインダーズ国際製本コンペティション」の入選作品80点あまりも展示されています.大きさも厚さもいろいろで,かなり奇をてらったものもありますけど,やはりシェイクスピアに触発されてなった装丁本の多様性には驚かされる,というほかありません.