植物(+ 昆虫)あれこれ

東京都庭園美術館で ≪ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉≫ を見ました.ガレといえば,でっかいトンボを貼りつけたガラス器が有名ですが,今回の展示はタイトルやサブタイトルが示唆しているとおり,「植物」がメインとなっているようです.じっさい,ガレは6,000坪ほどの庭園を保有し,数多くの植物を育てていたとか.植物学者としても通用するほどの学識を持ちつつ,それを造形に生かしたのが,すばらしいです.しかも表現はバラエティーに富み,写実的なものがあるかとおもえば,特定の部位を強調したり象徴的に扱ったりと,いろいろです.ガラスのあつかいもさまざまで,透過光の効果を生かす場合もあれば,逆に,金属製ではないかとおもわせるくらいに濃厚な色ガラスが表面を覆いつくしているものもあります.わたくしは(もし身近に置くなら)淡いおだやかな色彩の花瓶なんかのほうがいいんですが,それでも,肉太な植物の茎が盛り上がるかのように貼り付けられている部分や,ちょっと顔をのぞかせている蝶やカマキリに目を奪われた,ということを告白しておきます.