さまざまな「ヌード」

横浜美術館で ≪ヌード 英国テート・コレクションより≫ を見てきました.チラシに「ヌードをめぐる表現がいかに時代とともに変化し、また芸術表現としてどのような意味をもちうるのか、絵画、彫刻、版画、写真など約130点でたどります」とあって,そうした観点(というか問題意識)からの展示となっています.フレデリック・レイトンの「プシュケの水浴」のようにいかにも女性の裸体画といった作もあれば,肉体の厚みを感じさせない平面的なものもあります.ギリシア神話などに取材した物語性を持つものと,そうした要素の無い「物」そのものとしてのヌードもあります.ピカソの作に,女性性器がはっきりと描かれてあるのに,ちょっと驚きました.今回はじめて知ったルイーズ・ブルジョワという女性の,ポルノグラフィーといってもいいような,男女間の性行為をあつかった作品にも,やはり驚かされました.90歳を超えての創作というのだから,すごいです.