2015-01-01から1年間の記事一覧

又兵衛を語る

東京大学文学部一番大教室でおこなわれた「布施学術基金公開講演会 「画家岩佐又兵衛」」を聴いてきました.講師は辻惟雄東大名誉教授です.又兵衛という人の伝記的な紹介にはじまり,その作品を数多くのスライドで示しつつ,又兵衛の手法や特色や魅力を語ら…

美術館をハシゴ

国立新美術館の「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の神髄」を見てきました.初来日のフェルメール「天文学者」をはじめ,ムリーリョの「蚤をとる少年」やマセイスの「両替商とその妻」など,美術書で紹介されてきた有名な作品が多か…

室内装飾であり美術であり歴史資料でもある

杉並区立中央図書館で「講座 「知の散歩道」 タピスリーの美を求めて フランス中世を中心に」を聴きました.講師は篠田勝英白百合女子大学教授です.タピスリー(英語ではタペストリー)とは,「「壁掛け」の意で「壁を隠し、部屋を飾る布」」だそうで,石の…

例によってよくわからない

panpanya『枕魚』(白泉社,2015年 5月)を読みました.panpanya氏の3冊目の単行本です.作者とおぼしい少女が,あちこちに出かけてはいろいろな体験をする顛末を描いていますが,その「場」は,現実の世界を具体的にあらわしているかとおもえば,まるであり…

田舎(?)の発展をたどる

3月なかば以降,アクシデントやトラブル続きでコンピュータに接することができない状況だったのが,なんとか旧に復したので,ブログを更新することにしました.といっても,ささやかな,どうでもいいようなことを書き綴るにすぎませんが. というわけで,今…

ばけものがいっぱい

小松和彦(監修)『ジャパノロジー・コレクション 妖怪 YOKAI』(角川文庫,平成27年 1月)という本を書店で見かけて,買ってみました.「はじめに」に「「妖怪」とは、合理的に説明できない現象や存在のことです」とあり,幽霊やばけものや河童など,絵画に…

記録を残すことの大切さ

青梅市郷土博物館の企画展示 ≪江戸時代の天変地異と青梅≫ を見てきました.チラシに「日本は古来より「天変地異」が多い国であり、その記録が数多く残されています。特に江戸時代は火山噴火、地震、洪水、旱魃など、様々な「天変地異」が頻発した時代でした…

すごい!(としかいいようのない)世界

吾妻ひでお『ワンダー・AZUMA HIDEO・ランド』(復刊ドットコム,二〇一五年二月)読了.単行本未収録作品ばかりを集めたそうです.1970年代末から2010年代はじめまで,雑誌やインターネットなどいろいろな媒体で公にされたものを,「ギャグ」とか「SF・不…

よくもこれほど彫り刻んだものだ

京橋の繭山龍泉堂で ≪六田知弘写真展 ボロブドゥール≫ を見てきました.ボロブドゥールとは8世紀末から9世紀前半にインドネシア・ジャワ島に建立された石造仏教寺院で,ながらく忘れ去られていたのが,19世紀にようやく再発見されたのだそうです.そこに彫…

絢爛きわまりない!

瑞穂町郷土資料館で ≪ひなまつり展≫ を見てきました.が,失礼ながら,この展示よりも,隣接する耕心館での ≪瑞穂のつるし飾り≫ のほうに圧倒された,というのが正直な感想です.「ひな祭りの際に着物や帯でつくったさまざまな縁起の良いお飾りを、ひな段の…

読者サービス?

森 薫『乙嫁語り 7』(KADOKAWA,2015年 2月)読了.戦闘シーンが多かった前巻とはうってかわって,「裸まみれの風呂マンガ」になっている,と,「あとがき」にあります.また,「絵柄も少し変えて」「いつもより大分さっぱりです」とも書かれています.が,…

じつに多種多様

サントリー美術館で ≪天才陶工 仁阿弥道八 のびのびと、まじめに。≫ を見ました.江戸時代後期,京都を中心に活躍した陶工だそうです.こういうひとがいたなんて,わたくしは名前すら知りませんでした.茶道具や食器,置物など数多くの焼き物を残したようで…

虚無感をぬぐうために

血なまぐさいニュースが飛びかっている昨今,なにもする気にならず,読書量もおそろしく減って,ブログの更新もおこたってしまいましたけど,こういうときだからこそ <ふつう> の生活を送ること,そしてそういう実情を(どれほどの読者がいるかは不明です…

タイルから読みとれるもの

LIXILギャラリーで ≪タイルが伝える物語 図像の謎解き≫ を見ました.<西洋/中国/イスラーム> の3部に分けて,さまざまなタイルを展示紹介しています.えっ,これがタイルなの,とおもわされるほどの,油彩画のような作品もあれば,彫刻にちかい,浅浮き…

美術鑑賞とは(?)

藤田令伊『アート鑑賞、超入門! 7つの視点』(集英社新書,集英社,二〇一五年一月)を読みました.「はじめに」につぎの記述があります. ある時、私は「アート」と「アートを見る」ことは違うと気がつき、「アートを見る」ことについて学びたいと思いま…

江戸の洒落た表現

石神井公園ふるさと文化館で岩崎均史館長の講演「江戸の絵暦 〜月の大小と暦〜」を聴きました.暦の成りたちや歴史についての説明のあと,「大小」というものが登場したことを述べて,その特色やそこから読みとれることなどを語られました.演題には「絵暦」…

へ〜とおもわされることばかり

木村泰司『名画は嘘をつく』(大和書房,2014年11月)という文庫本を書店で見かけ,買って,読んでみました.「タイトルの嘘」など10の章にわけて,絵画が描いているもの(と,わたくしたちがおもっているもの)とそこに描かれているもの,そのように伝えら…

ことし初の見学

三ケ日を寝正月で,どこにもいかずにのんべんだらりと過ごしてしまったので,そろそろなにかしら見物にいこうとおもい,石神井公園ふるさと文化館分室で ≪地図 地図 古地図 −江戸の古地図をたのしむ−≫ を見ました.ふるさと文化館は五味康祐氏の遺品約二万点…