マンガ

情報量が多い!

蛇蔵『決してマネしないでください。1』(講談社,2014年12月)読了.この本のことは朝日新聞の広告欄(12月17日朝刊)で知りました.工科医大に通う掛田クンが学食のオバサン(といっても20歳代なかごろですが)に恋をして,告白するものの,その方面に疎く…

ヘンな知識を得ることができました(笑)

流水りんこ『インド夫婦茶碗 20』(ぶんか社,2014年12月)読了.例によってのエッセイマンガですが,冒頭の「140杯目」はちょっと変わった内容で,玄関先で「ちいさいヤモリの赤ちゃん」をゲットしたことにはじまるあれこれを描いています.ヤモリの飼い方…

50周年!

『青池保子 華麗なる原画の世界 「エロイカ」から「ファルコ」まで』(秋田書店,平成26年11月)読了.「漫画家生活50周年記念」と銘打たれています.いわゆる「24年組」のひとたちのなかで,もっともデビューが早かったのではないでしょうか.本書には,デ…

残酷さをふくんだファンタジー

TONO『砂の下の夢 空の下の緑 1』(秋田書店,平成26年 9月)読了.このところ,日常生活のあれこれに取材したエッセイマンガが多かったTONO氏ですが,今回はうってかわって,奇妙な世界をたっぷりと描いています.なんともふしぎなストーリー,奇々怪々な登…

吾妻ひでお健在!

吾妻ひでお『カオスノート』(イースト・プレス,2014年 9月)読了.「不条理日記」の続編のようですけど,テーマや技法は多彩をきわめており,どこもおもしろく読めます.というより,圧倒されます.発想の奇抜さ,入念な描写と(手抜きのような)簡潔な絵…

暗合

このところ,何もやる気にならぬ日々が続いており,本を読んでも中絶してしまうことが多く,そのために読書量もおそろしく減って,プログの更新も滞っていたのですけど,たまたま昨日,中野京子氏のブログで「レオナール藤田のあの「白」の秘密が天花粉にあ…

なんといえばいいのか

清水玲子『Deep Water <深淵>』(白泉社,2014年 7月)を読みました.病院のシーンにはじまり,ある女子高生の陸上競技大会での活躍を伝える記事が出てくるかとおもえば,いきなり「6年前」の事件が挿入され,この作品の主要登場人物は誰と誰で,これらの…

竹本泉氏の新刊2冊

『シンリャクモノデ 2』(KADOKAWA)と『がーでん姉妹 2』(竹書房)を読みました.奥付ではどちらも2014年 7月発行となっていますけど,じっさいには今月25日に書店の店頭にならんでいたようです(わたくしは別々の書店で買ったのでならんだのを見たわけで…

奇妙な作風

panpanya『蟹に誘われて』(白泉社,2014年 4月)というマンガを書店の店頭で見かけて,作者についての知識がまったく無く,内容も不明なのに,つい買ってしまいました.[以下ネタバレ注意]. なんとも奇妙な作風です.登場する少女(中学生?)の顔かたち…

近藤ようこ氏の新刊2点

『五色の舟』(KADOKAWA,2014年 4月)と『宝の嫁』(KADOKAWA,2014年 4月)を読みました.『五色の舟』は津原泰水氏の短編小説を漫画化したものだそうです.これは,なんといったらいいんでしょうか,ずいぶんと異様でグロテスクな内容です.原作を読んで…

なんともヘンな設定

竹本 泉『シンリャクモノデ 1』(KADOKAWA,2013年12月)読了.「侵略」とはおだやかならざることですけど,「ソノ1」では学園の中庭に「別の世界から入り込んでくるいろいろを」「送り返す」というテンマツが描かれます.このはなしがつづくのかとおもった…

40周年と30周年

『デビュー40周年記念自選集 文月今日子のお気にいり』(宙出版,2013年11月)と『川原泉傑作集 ワタシの川原泉 I』(白泉社,2013年11月)を読みました.文月氏の本の巻頭の「フリージアの恋」は1973年,19歳で公表したデビュー作だそうです.装飾過剰でモ…

なかなかに濃い(しかしわかりにくいところもある)講座

学習院大学でおこなわれたシンポジウム「マンガのアルケオロジー 視覚的な物語文化の系譜」を拝聴してきました.はじめに夏目房之介氏の基調発表「マンガ史再考のために」があり,これまでのマンガにかんする言説(の歴史)を要約したうえで,あらたな視角を…

吾妻ひでお氏のふしぎな世界

吾妻ひでお(中川いさみ・監修)『あるいは吾妻ひでおでいっぱいの吾妻ひでお』(河出書房新社,2013年 9月)読了.このシリーズも第5弾となりました.今回は「作者が出ている作品」をテーマとしているのだそうです.巻末の解説で中川いさみ氏は「自分を主…

コアなファンが多いんでしょうか

SHIBUYA TSUTAYA でおこなわれた清水玲子氏のサイン会にいって,『秘密 season 0 1』にサインをしてもらいました.3日前,9:40 ごろだったでしょうか,本書を購入して得たサイン会の整理券番号は90番台の後半でした.先着100名にかぎるとのことでしたので,…

いいまちがいがおもしろい

蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語 4 海外篇』(メディアファクトリー,2013年 8月)読了.シリーズ第4弾は「「外国で日本語を学んでいる」ひとたちのお話です」とのことで,「第一章」から「第七章」まではフランスやベルギーなどの国別に日本語学習…

あいかわらずエネルギッシュなルポルタージュ

ヤマザキマリ・NHK取材班『ヤマザキマリのアジアで花咲け! なでしこたち』(メディアファクトリー,2013年 5月)読了.なでしこジャパンを追った記録かとおもったんですが,そうではなく,アジアの各地で活動されている女性たちを紹介したものでした.ト…

意外な終りかた

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ VI』(エンターブレイン/角川グループホールディングス,2013年 7月)読了.「第33話」のラストで,金策をおえてもどってきたお爺ちゃんが風呂場で足をすべらせて湯船にのめりこんでしまうシーンがあるので,これで死んじゃ…

エッセイマンガというかなんというか

そらあすか氏の本を3冊,入手できたものから順に読んでみました.すなわち『マンガ・日本人なら知っておきたい! 戦国武将、ゆるイイ話』(講談社,2011年10月),『戦国武女子、参る! いっそ武将に仕えたい!』(メディアファクトリー,2009年 9月),『…

山岸凉子氏の新境地(?)が期待できるかも

山岸凉子『言霊』(講談社,2013年 5月)を読みました.山岸氏には,ご自身が創作し到達された世界をさらにダメ押しするかのように,ちがった角度から再検討しようとする傾向があるようですね.「日出処の天子」のあとに描かれた「馬屋古女王」はまさにそれ…

なんといったらいいのか・・・

そらあすか『そらあすかのまんが❤日本史BLばなし』(新書館,2013年 5月)という本を書店の店頭で見かけて,つい買ってしまいました.古代から江戸時代まで,4部に分けて全35項目すべてその手のはなしばかりを載せています.足利義満が世阿弥を寵愛したと…

いまや世界的な規模となっている「マンガ」

森下文化センターで ≪外国マンガの世界≫ を見ました.チラシには「「スーパーマン」や「スパイダーマン」をはじめとするスーパーヒーロー。「スヌーピー」や「トムとジェリー」などの愛らしいキャラクター。今回、「田河水泡・のらくろ館」には、アメリカン…

たのしいイベント

西武池袋本店別館8Fのコミカレホールで開催された波津彬子氏の≪トーク&サイン会≫に参加して,先週買った『雨柳堂夢咄 其ノ十四』にサインをしてもらいました.トークイベントのお相手はTONO氏です.おふたりともずいぶんデフォルメされた自画像をマンガに…

モダンな感覚におどろく

さいたま市立漫画会館で ≪北沢楽天原画展 『時事漫画』≫ を見てきました.「日本初の新聞日曜版・大正10年創刊」というサブタイトルが付されています.明治15年に福沢諭吉が創刊した『時事新報』には明治35年に「時事漫画」コーナーが登場し,さらに大正10年…

「ネタがない」そうですが,なかなかどうして

波津彬子『雨柳堂夢咄 其ノ十四』(Nemuki+コミックス,朝日新聞出版,2013年 4月)読了.長短あわせて8編をおさめています.まえに読んだのと似たようなはなしもありますが,けっしてマンネリや二番煎じではなく,べつの角度からの創作がなされている,と…

なんともエネルギッシュな旅行記

ヤマザキマリ『世界の果てでも漫画描き 3 チベット編』(集英社,2013年 2月)読了.「チベット編」と銘打っていますけど,分量的には前巻からひきつづく「シリア編」が半分のページを占めています.そのあとに「ルッカ&パリ編」があり,「チベット編」とな…

おおやちき氏の多彩な世界

森下文化センターで ≪おおやちきの世界展≫ を見ました.わたくしが読んだのは『おじゃまさんリュリュ』と『キャンディとチョコボンボン』(ともに小学館文庫),『回転木馬』(小学館,2011年 3月)だけで,いかにも少女マンガふうな作品なんですが,そのい…

少女マンガにかんする貴重な企画展

江東区森下文化センターで ≪永遠の少女マンガ展≫ を見ました.「原画’(ダッシュ)」のほかにも,「編集者・小長井信昌の仕事」とか「三原順原画展示」といったミニ・テーマをもうけて,関連する資料を展示しています.書籍を手にとって見ることができるよう…

静と動,美と残酷が共存する森薫氏の世界

森薫『乙嫁語り 5』(エンターブレイン/角川グループパブリッシング,2013年 1月)読了.前巻で登場したライラとレイリの結婚のはなしが続きます.ストーリーらしきものはいちおうあるんですが,それよりも,章題のとおり「祝宴」の描写こそがこのはなし(…

ひろく知られてほしい人と作品

新聞でベアテ・シロタ・ゴードン氏の訃報を知り,樹村みのり『冬の蕾 ベアテ・シロタと女性の権利』(労働大学出版センター,2005年 7月)を本棚からひっぱりだして再読しました.樹村みのり氏はもっともっと知られてほしい漫画家さんですので,詳細なビブリ…