2016-01-01から1年間の記事一覧

おどろおどろしいと同時にカワイイところもある

江戸東京博物館で ≪大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで≫ を見てきました.チラシの冒頭に「妖怪は、日本人が古くから抱いてきた、異界への恐れや不安感、また”身近なもの”を慈しむ心が造形化されたものです」とあります.天狗やあやしげな魔物や幽霊,古道具…

いろいろな見方

昨年は赤塚不二夫氏の生誕80周年にあたっていて,「おそ松さん」という新作アニメが放映されたり,赤塚不二夫氏にかんするイベントもいろいろと催されたりしたようです.そうした流れに乗るもののひとつでしょうか,『pen + いまだから、赤塚不二夫』(CCCメ…

最近おもしろく読んだ本

2週間もブログの更新を怠ってしまいました.ごく少量とはいえ本を読んだり,美術館にいったりもしていたのですけど,感動したところがある一方,不満足な点も多かったので,感想を記すのを控えていました.が,そうした両様の感覚をはじき飛ばすような本に…

細密工芸!

たばこと塩の博物館で ≪細密工芸の華 根付と提げ物≫ を見てきました.根付や印籠や煙草入れはこれまでにもいくつかの博物館で見たことがありますけど,これほど多くをまとまって見るのは,はじめてです.その多様さに圧倒されます.素材や大きさや意匠もまち…

新宿をテーマとした企画展

新宿歴史博物館で ≪戦後昭和の新宿風景 1945-1989≫ を見ました.「太平洋戦争の終戦から昭和の終わりまでの新宿区内の写真を展示」しています.新宿駅ちかくや神楽坂や四谷など,いろいろな場所でのいろいろな情景が写しだされています.風景やひとびとの服…

TONO氏の面目躍如

TONO『ウサギコットン100% 1』(白泉社,2016年 6月)読了.巻末に付された「カレンのファスナー」の宣伝ページに「とのちゃんたら/絵はカワイイのに/よくもまあ/こんな話を」とあります.この評は本書にもそっくり当てはまります.人物(の絵)は可愛い…

花見(?)にいってきました

都合で更新がおくれてしまいました.以下は昨20日に書いたものです. 神代植物公園にいってきました.薔薇が見ごろだと新聞にあったのでいってみたのですが,ほんとにそのとおりですね.ばら園では「春のバラフェスタ」がおこなわれていて,さまざまなバラを…

幅ひろい行動におどろく

まる一ヶ月以上更新をおこたってしまいました.熊本の地震のような「事実」をまえにすると,何もやる気になれなくなってしまったからです.もっとも,こんなウシロムキな姿勢は,生活上,好ましいものではありません.なにがしかの「行為」をおこない,感想…

あらためてとりくむ価値あり

武蔵野市立吉祥寺美術館で ≪萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく≫ を見ました.わたくしは,萩尾氏の作品は文庫本を数冊読んだだけで,とうてい読者であるなどとはいえないんですけど,気になる作家であったことはたしかです.それで,吉祥寺…

植物(+ 昆虫)あれこれ

東京都庭園美術館で ≪ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉≫ を見ました.ガレといえば,でっかいトンボを貼りつけたガラス器が有名ですが,今回の展示はタイトルやサブタイトルが示唆しているとおり,「植物」がメインとなっているようです.じっさい,ガレ…

聖母子がいっぱい

東京都美術館で ≪ボッティチェリ展≫ を見てきました.「春」や「ヴィーナスの誕生」を美術史の本などで見たことのないひとはおそらくいないのではないかとおもわれますが,実物に接する機会はあまり(というよりほとんど)無く,今回の企画展ほどの規模の展…

桜見物

江戸東京たてもの園で ≪特別展 小金井の桜 春の江戸東京名所めぐり≫ を見てきました.たてもの園は今日が開園記念日とて,月曜なのに臨時開園し,入園も無料でした.特別展はサブタイトルにあるように,江戸のむかしから桜の名所とされてきた上野や隅田川や…

植物画あれこれ

パナソニック 汐留ミュージアムで ≪世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々≫ を見ました.このブログには記さなかったのですが,今月になってから,LIXIL ギャラリーで ≪薬草の博物誌≫ を,練馬区立 牧野記念庭園記念館で ≪…

初の原画展

スパンアートギャラリーで開催中の ≪坂田靖子 原画展≫ を見てきました.河出書房の『ふしぎの国のマンガ描き』出版を記念しての企画だそうです.絵は,すでに本で見て知っているのですが,原画には大きさや色彩の微妙な感覚やタッチなどの点で,印刷されたも…

40周年

『総特集 坂田靖子 ふしぎの国のマンガ描き』(河出書房新社,2016年 2月)読了.デビュー40周年を記念しての刊行だそうです.著者へのロングインタビューや萩尾望都氏との対談もあれば,カラーイラストや(ごくわずかですが)作品の採録,年譜,作品リスト…

2.26に関連して

三島由紀夫の短編集『花ざかりの森・憂国』(新潮文庫)を本棚からひっぱりだして,「憂国」だけを読んでみました.著者による「解説」に,「『憂国』は、物語自体は単なる二・二六事件外伝であるが、ここに描かれた愛と死の光景、エロスと大義との完全な融…

早々と花見

<まつだ桜まつり>にいってきました.小田急線で新宿からざっと90分,新松田駅着.早朝の人身事故の影響でずいぶん遅れが出ていたようですが,それでも,10:30 すぎに到着し,会場までの登りの多い道をくねくねと歩いてたどりつきました.道案内の矢印があ…

歴史的史料としての価値もあり

中野区立歴史民俗資料館の企画展 ≪おひなさま展≫ を見ました.「山崎家ひな人形」が平成27年度中野区指定有形文化財に指定されたそうで,「その一式137点」を展示しています.内裏雛六対を置く,というのがユニークですね.ほかにも,江古田村の名主であった…

ようやく読了

先月,発売日に買ってとちゅうまで読んでおきながら,他の本に目移りしてそのままになっていた『芸術新潮 2月号』の特集「永遠のフェルメール」をようやく読みおえました.「全作品掲載!」とうたってあるとおり,真贋の論争のあるものも含めて36作品を掲載…

さまざまな意匠

都合でカキコミが1日おくれてしまいました.以下の文章は昨26日の体験を記したものです.文化学園服飾博物館で ≪魔除け 身にまとう祈るこころ≫ を見てきました.「アジア・アフリカ地域を中心に、各民族の服飾に見られる多様な魔除けの役割を紹介」していま…

さりげないところに<感動>がある

「感動的」などといったら,陳腐な表現といわれるかもしれませんけど,そういうほかないのが遠藤淑子氏の新刊『ヨシツネ』(幻冬舎,2016年 1月)です.掲載紙がちがうためか,巻頭に置かれている「ヨシツネ」はかなりコミカルでメタマンガ的な要素がつよく…

時計のいろいろ

町田市立博物館で ≪魅惑の小宇宙! 懐中時計展≫ を見てきました.いまではあまり見かけませんけど,懐中時計にもずいぶんいろいろなものがあったんですね.初期の時計には針が1本しか無くて,おおよその時を示すだけ(現在の時計でいうなら短針のみ)だった…

「忠臣蔵」関連

すみだ郷土文化資料館で ≪忠臣蔵の浮世絵と赤穂義士の手紙≫ を見てきました.「忠臣蔵」を描いた浮世絵は膨大な数にのぼるでしょう.ここに展示しているのはそのうちのごく一部にすぎません.「すみだ」という地域を意識しての配慮でしょうか,「忠臣蔵」の…

初見物(?)

国立科学博物館で ≪ワイン展≫ を見てきました.新春にはじめて美術館や博物館にいくことをなんというのか,わからないままに「初見物」というタイトルを付してしまいましたけど,はたしてこれでよかったんでしょうか.元日の新聞に載っていた講談社の広告に…