その他

意匠への執念(?)におどろく

町田市立博物館で ≪江戸の粋 明治のシック 型染めデザインの美≫ を見てきました.3年前に石神井公園ふるさと文化館での企画展「型紙の美」に驚嘆したおぼえがあるのですが,それにつづく体験です.なんとも素晴らしいというか,あるいは(いっそ)偏執狂的…

悲惨な体験をユーモラス(?)に描く

九段生涯学習館2階の九段ギャラリーで ≪マンガで描いた抑留・引揚げのガマン≫ を見てきました.昭和20年 8月,日本の敗戦の直前,満州などにいた日本人に大変な事態が到来します.「軍人・軍属を中心とした約57万5千人が、シベリアを始めとする旧ソ連やモン…

語り伝えるということ

年長のひと(両親とか祖父母など)からむかしの話を聞いた,という体験はたいていのひとがしているでしょう.しかし,「むかしの話」はかならずしも口承によってなされるとは限りません.文章に書きのこす,という方法もあれば,絵に描いて伝える,というこ…

めずらしい切手とは

お札と切手の博物館で ≪切手の国の探検隊 〜めずらしい切手を求めて〜≫ を見てきました.希少な切手ばかりを展示しているのかとおもったら,そうではなく,ふたつの面から「めずらしい切手」に迫ろうとしているかのようです.ひとつは郵便制度としての切手に…

多様さに驚く

目黒区美術館で ≪ヨーロッパの木の玩具 ドイツ、スイス、北欧を中心に≫ を見てきました.木の玩具といえば,積木とか人形といった比較的単純なものを思いうかべますが,じつに多種多様なものがあることに驚かされました.積木にしても,同じ形のものだけから…

人生いろいろ

中野区立歴史民俗資料館で ≪「人生」すごろく その時代の学びと遊び≫ を見ました.チラシに「絵すごろくには、時代ごとの人びとの人生観や憧れが凝縮されており、興味深い歴史資料として注目されています」とあります.こうした観点から,江戸末期から昭和20…

ちかごろ面白く読んだ本

浜本隆志『シンデレラの謎 なぜ時代を超えて世界中に拡がったのか』(河出書房新社,2017年 6月)読了.とにかく面白いです.サブタイトルにあるように,古代から現代にわたり,ヨーロッパだけでなくエジプトや中近東やアジアを発祥の地として,さまざまに改…

執念 ?

牧野記念庭園記念館で ≪牧野式植物図への道 I −種の全体像を描くために−≫ を見てきました.記念館の常設展示室にも富太郎の描いた植物図が何点か展示されていますけれど,そちらは牧野の植物図の特色を解説することにウェイトが置かれている(らしい)のに対…

作家の好み

石神井公園ふるさと文化館で ≪映画に魅せられた文豪・文士たち 知られざる珠玉のシネマガイド≫ を見ました.チラシに. 映画に魅せられ、そこに浪漫や未知の可能性を感じた谷崎潤一郎や川端康成、林芙美子、江戸川乱歩、三島由紀夫といった作家たちが、映画…

意匠のもつ意味

東京家政大学博物館の企画展 ≪まじない いろいろ・いろ・かたち≫ を見ました.着物や玩具などに込められた意味を,「まじない」というキーワードを設けて,いわば民俗学的に考察しています.赤い色には魔を降ろすはたらきがあるとか,紫が禁色とされたとか,…

道具のあれこれ

中野区立歴史民俗資料館の企画展 ≪「書く」道具 手書き、複写、印刷へ≫ を見てきました.古代中国の筆記用具(筆や墨や硯など)が日本にもたらされ,広範囲に普及し,近代には鉛筆や万年筆があらわれ,さらにはガリ版刷りや和文タイプといったあたらしい発明…

変れば変る

前回と同じタイトルになってしまいましたけど,今日いってきたのは武蔵野ふるさと歴史館の企画展 ≪井の頭と江戸≫ です.チラシに「今年、井の頭恩賜公園は開園100周年を迎えることにちなみ、江戸時代の井の頭池とその周辺を、典籍、古文書、絵図、錦絵などか…

変れば変るもの

杉並区立郷土博物館分館で ≪記憶を紡ぐ 天沼弁天池があった頃≫ を見てきました.チラシに「郷土博物館分館は、天沼弁天池公園とともに開館し、このたび10周年を迎えます。当展示では、天沼弁天池があった頃から現在の公園となるまでの変遷を紹介します」とあ…

やっぱりスゴイ

『別冊太陽 日本のこころ 250 宮武外骨 頓智と反骨のジャーナリスト』を読みました.外骨のことに触れた雑誌として,わたくしの手元に『サライ 1992年3月19日号』と『AMUSE 1994年12月28日号』がありますけど,どちらも雑誌の一部(20ページ足らず)を割いて…

桜見物

桜を見物してきました.といっても,実物ではなく絵です.練馬区立 牧野記念庭園記念館での企画展 ≪桜花図譜と牧野富太郎 百年の時を越えて今よみがえる≫ では富太郎が企画したものの完成にはいたらなかった『日本桜花図譜』の原図16点を展示(初公開)して…

元号はどうするのか

天皇の生前退位がおこなわれた場合,称号をどうするかという点についての議論が盛りあがっているようです.しかし,わたくしにはなんとも些末で本質に触れていない空虚なやりとりとしかおもえません.いったい,「生前退位」がなぜ問題となるのかといえば,…

雛飾りあれこれ

中野区立歴史民俗資料館の企画展 ≪おひなさま展≫ を見てきました.ことしは,通常の雛壇飾りに加えて,「おとぎ話や舞楽の一場面を人形に仕立てた「浮世物」と呼ばれる人形」を多く紹介しているとのことです.「高砂」などの縁起物のほか,歌舞伎舞踊でおな…

でたらめな訳にあきれる

きょうの朝日新聞朝刊に「教育勅語」って何?と題するカコミ記事が載っていました.教育勅語についていろいろと解説しているのですが,なかに「「万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家のためにつくせ」とも書か…

強烈な色彩と緻密な文様

たばこと塩の博物館で ≪丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と旅するじゅうたん≫ を見てきました.2008年の春にも同じタイトルの展示があったのですが,サブタイトルは違っていて,今回は絨毯を多く出品しているのが特色です.とにかく大きいですね…

梅見

梅まつりが開催されていると聞いたので,小金井公園にいってきました.昨日の暖かさとは打って変わって冬に逆戻りしたかのような気候で,かなり寒かったのですが,それでも梅の開花を見ることができました.梅林には20種以上の梅が100本ちかく植えられている…

花見

井草森公園にいってきました.西武新宿線の井荻駅ちかくのかなり広い公園です.杉並区の区立公園では三番目の広さだとか.その隅のほうに河津桜が一本,二分咲き程度ながら,すでに開花しています.昨年は二月下旬ごろに見たようにおぼえていますので,こと…

寿ぎのいろいろ

埼玉県立 歴史と民俗の博物館で ≪祝いの民俗≫ を見てきました.ほんとうはもっと前,正月の気分がただようころにいきたかったのですが,いろいろ事情があって,遅れてしまいました.「祝う」ということにはじつにさまざまな面があるんですね.はじめに宝船と…

四字熟語

稀勢の里が口上で四字熟語を使わなかったのがニュースとなるくらい,漢字四文字による表現には簡潔で魅惑的なパワー(とでもいうもの)があるようです.たまたま,わたくしも特定の人物にふさわしいことばをおもいついたので,記しておきます. 下司下郎 ア…

今年はじめて買った本

井上章一『京女の嘘』(PHP研究所,2017年 1月)を読みました.なんと評すればいいんでしょうか.おもしろい,としかいいようがありません.

豪華な調度とからくりと

江戸東京博物館にいってきました.昨日と今日は常設展示室の入場が無料なので,常設展示室内での企画展 ≪徳川将軍家の婚礼≫ を見ようとかんがえたためです.が,これを見る前に,江戸中村座の正面を模したところでやっていたからくり人形の実演に接し,まず…

正月らしい催し

江戸東京たてもの園にいってきました.入園者がかなり多いのは,うららかな陽気と,本日(および翌3日)が入園無料のためでしょうか.いくつかの建物に入って内部を見学したほか,箏の演奏を聴き,屋外で太神楽の実演を見ました.太神楽とは初春に獅子舞と…

年のはじめにあたって

型通りのあいさつながら,「新年あけましておめでとうございます」といっておけばそれで済むのが,日本の伝統文化のいいところ(?)ですね.もっとも,初春早々にテロがあったりして,いいとばかりもいっておられません.ことしはどんな年になるのでしょう…

ことしもっとも印象にのこったもの

ブログの更新をおこたったまま,大晦日をむかえてしまいました.例によっての「ことしもっとも印象にのこったもの」を記して,一年のしめくくりとします. 芝居では十二月文楽公演「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」.劇場へ足をはこんだのは一度だけですので,こ…

紙のいろいろ

LIXIL ギャラリーで ≪WASHI 紙のみぞ知る用と美≫ を見てきました.和紙と聞けば,ふつうはお札や障子紙や錦絵の用紙などを思い浮かべますが,それだけではない,「紙」とはおもえないようなものもある,ということを知らされました.和紙の性質や特徴,作成…

多士済々

杉並区立郷土博物館分館で「文士と画家たちの荻窪 どうしてこんなにたくさんいるの」を見てきました.荻窪駅を中心とする5平方キロほどの地域に居住したことのある文士と画家とを調べあげ,だれがどのあたりに住んでいたかを図示し,人物を紹介して,関連す…