2014-01-01から1年間の記事一覧

精神病院行きが妥当

石原環境相の「金目」発言が話題になっています.ところで,あまり注意されていないようですけど,この件に関連して石原氏は,「金で解決できるなどとはまったくかんがえていない」と述べたとのこと.このほうが,よほど問題だ,と,わたくしはおもいます.…

21箇所で8,450円のトク

4月下旬より今日まで,ぐるっとパスを利用して21の施設をまわりました.通常の入場料を払っていたならば10,450円かかっていたはずですので,パスの代金2,000円を差し引くと,8,450円のトクということになります.昨年(23箇所で11,900円のトク)にくらべる…

子をおもう気持ちのあらわれ

京橋の LIXIL ギャラリーで ≪背守り 子どもの魔よけ展≫ を見ました.背守りというものがあったことは波津彬子氏の「背守りの犬」(「雨柳堂夢咄」第三十九話)で知りましたけど,じっさいに見るのははじめてです.昭和初期くらいまでにおこなわれていたとの…

春画関連の本3点

春画関連の本を3冊読みました.はじめは白倉敬彦『春画と人びと 描いた人・観た人・広めた人』(青土社,2014年 6月)です.タイトル(およびサブ・タイトル)からうかがわれるように,作品としての春画よりも,春画とそれにかかわったひとびととの関係を考…

過去を見直す姿勢

杉並区立郷土博物館 分館で ≪過去の記憶のよみとき方 −「個」の先にあるもの−≫ を見ました.昨年春につづいて,矢嶋又次氏の「記憶画」(30点)と,現代のおなじ場所の写真などを展示しています.「「記憶画」をよみときながら街の歴史を紹介します。[中略…

文楽と歌舞伎の写真展

神田駿河台の ESPACE BIBLIO というところで「渡邉 肇 写真展 人間浄瑠璃 第一回 文楽至宝尽の段」を見てきました.渡邉氏は1964年生まれの写真家で,ここ5年間に5万枚あまりの文楽にかんする写真を撮影されたそうで,そのうち30点ほどの作品を展示してい…

奇妙な作風

panpanya『蟹に誘われて』(白泉社,2014年 4月)というマンガを書店の店頭で見かけて,作者についての知識がまったく無く,内容も不明なのに,つい買ってしまいました.[以下ネタバレ注意]. なんとも奇妙な作風です.登場する少女(中学生?)の顔かたち…

紙,といったってぺらぺらなものばかりじゃない

紙の博物館で ≪金唐紙展≫ という企画展を見てきました.金唐紙とは,エンボス加工した和紙にさらにいくつかの処理をほどこして,凹凸のある豪華な装飾品(壁紙など)にしたものらしいんですね.ルネサンス期のヨーロッパで革で作られた「金唐革」というのが…

空気を感じさせる絵

損保ジャパン東郷青児美術館で ≪オランダ・ハーグ派展 近代自然主義絵画の成立≫ を見ました.ハーグ派とは,19世紀後半のオランダでバルビゾン派の影響を受けながら,17世紀オランダ黄金時代の絵画を再評価して,オランダ独自の風景や民衆を描いた画家たちを…

絵はがきあれこれ

石神井公園ふるさと文化館で ≪絵はがきの魅力 −時代の「生き証人」−≫ を見ました.パンフ冒頭の「開催にあたって」に「絵はがきは、明治の中頃から私製はがき(書簡)の一種という目的に加え、その時々の出来事や観光地の様子を、写真や絵を通じて世間に広く…

親しみやすい入門書

桐竹勘十郎・吉田玉女『文楽へようこそ』(小学館,2014年 4月)を読みました.勘十郎師と玉女師による「私が好きな演目ベスト10」がはじめに写真で紹介され,おふたりの対談や,演目についての解説,人形の「首いろいろ」,「文楽ゆかりの地」などの情報の…

馬あれこれ

学習院大学史料館展示室で ≪馬 その歴史と学習院≫ を見ました.学習院は「日本で最初に学生馬術教育が行われた学校」なのだそうです.そうした所縁のためか,今回の企画展は「第I章 アジアを駆ける馬/第II章 中・近世史料にみる馬/第III章 学習院と馬との…

パステルカラーだけではない

三鷹市美術ギャラリーで ≪マリー・ローランサン展 〜女の一生〜≫ を見ました.マリー・ローランサンといえば,パステルカラーで女性たちを優美に描いた,甘ったるい作風の画家だ,というイメージがあって,それだけにあまり好きではなかったのですが,たまた…

三題噺というわけでもないんでしょうが

渡辺 保『煙管の芸談』(幻戯書房,二〇一四年四月)を読みました.「煙草」「酒」「水」の3部に分かれています.あらたに書き下ろされた,まえがきに当たる章で,著者の個人的な体験も折りこみながら,これらの道具(というか,テーマというか,あるいはア…

絵から読みとることができるモノとコト

中野京子『名画に見る男のファッション』(KADOKAWA,2014年 3月)読了.名は体をあらわすというとおり,この本のタイトルが内容を端的に語っています.そして「まえがき」で,よりくわしく,むかしの風俗・習慣,ひとびとの意識,歴史的背景など,絵から読…

近藤ようこ氏の新刊2点

『五色の舟』(KADOKAWA,2014年 4月)と『宝の嫁』(KADOKAWA,2014年 4月)を読みました.『五色の舟』は津原泰水氏の短編小説を漫画化したものだそうです.これは,なんといったらいいんでしょうか,ずいぶんと異様でグロテスクな内容です.原作を読んで…

見事な応対

上野千鶴子氏の講演がおこなわれたそうです.http://mainichi.jp/select/news/20140319k0000m040095000c.html講演内容は,じっさいに聴いていないわたくしにはもとよりわかりませんけど,市長にたいする,『論語』を引用しての応対といい,報酬についての表…

理路整然の見本

今,話題になっている上野千鶴子氏の講演会に関して,上野氏のブログをのぞいてみました.http://wan.or.jp/ueno/?p=3857すごいですね.じつに理路整然としていて,論理展開にまったく無駄がない,ほれぼれとするような文章です.こんなすぐれた文章を,わた…

橋にかんするあれこれ

中野京子『中野京子が語る 橋をめぐる物語』(河出書房新社,二〇一四年三月)読了.じつに多彩な内容で,どこもおもしろく,読むことのよろこびを堪能しました.「序章」のはじめのほうに「どの民族においても、橋に対するイメージはだいたい共通している。…

住大夫師引退! (歌舞伎・文楽)

朝日新聞デジタル版に住大夫師引退の報が載っていました.ショックであると同時に,これまた仕方ないかなというおもいが半々,というのが今の気持ちです.「28日夕、大阪市内で会見し、理由や心境を語る」とのこと.引退はしても,文楽にかんする発言はこ…

あきれることばかり (その他)

このブログには,以前は批判的なことも書いていたのですけど,最近は感動したことだけを書こうとかんがえて,そのために更新も滞りがちだったのですけど,昨今のあまりにもひどい実状を目の当たりにして,やはりわたくし個人の見解を述べておくべきだと,態…

雅びな世界にあそぶ (その他)

中野区立歴史民俗資料館で ≪おひなさま展≫ を見てきました.昨年は3月3日にいったのですが,ことしは早々と,3日まえにはじまったばかりの展示を,雪のせいかあまり入場者のいないなかで,ゆったりと鑑賞してきました.壮観ですね.約40組の雛人形はじつ…

非・正統的なもののおもしろさ (美術)

国立劇場伝統芸能情報館でクリストフ・マルケ氏の講演「忘れられた民画:大津絵 江戸の笑いとパロディ」を聴きました.大津絵についての概説や歴史にはじまり,その特色,さらにはその影響や展開など,多くの図像資料をもちいてのはなしはたいそうおもしろく…

食の話題はおもしろい (その他)

石神井公園ふるさと文化館で原田信男氏の講演「江戸の食文化 周辺農村との関連を含めて」を聴きました.きょうからはじまった「特別展 江戸の食文化」の関連講座です.食への関心には高いものがあるのか,満員の盛況でした.もっとも,日本食とはいっても,…

ことしになって読んだ本 (マンガ)

そらあすか『歴女ガイドねね』(日本文芸社,平成26年 1月). 流水りんこ『インド夫婦茶碗 19』(ぶんか社,2014年 1月). 森 薫『乙嫁語り 6』(KADOKAWA,2014年 1月).そら氏の新刊は1ページに4コママンガ2本を掲載しており,この2本で1話という…

これはオススメです (美術)

Bunkamura ザ・ミュージアムで ≪シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界≫ を見ました.本展は「シャヴァンヌの全体像を日本で初めて提示する機会」だそうです.1999年 6月に神奈川県立近代美術館の ≪水の物語≫ で島根県…